誰もがみんな魔女なのです。信じてさえいれば・・・
自分に自信がなくいつも一人ぼっちだと思っている人が
- 持っている不思議な力に気がつくことができる
- 一人だけど一人じゃないことが分かる
- 自信がついて人生が明るくなる
『魔女・モナの物語』のあらすじ
中学3年生のモナは小さい頃から、ずっと魔女になりたいと思っていました。
高校の進路希望にも「魔女になりたい」と書き、先生に怒られ友達から笑われたりしましたが、モナの夢は変わりませんでした。
以前の担任のフミア先生から「夢だけでなく叶える方法を探してごらん」と言われて、モナは魔女になる方法を探してみましたが見つけることができませんでした。
どうしようかと金魚鉢の前でふと呟いたら突然金魚が語り掛けてきました。
魔女には「水の魔女」「鏡の魔女」「空の魔女」「森の魔女」の4種類がいるんだ
モナは「誰が何と言おうと魔女はいるんだ!」と嬉しくなりました。
ギルの友達である水の魔女に頼んでくれたところ、巻貝がいつのまにか机の上に置かれていました。
モナはこれは「魔女修業へ行ける証明書だ!」と確信します。
そして、モナは愛犬のいちじくを連れて、1週間ずつ4人の魔女のところで修業をする旅に出かけます。
水の魔女と鏡の魔女はモナに魔女になる可能性を気づかせてくれました。
しかし、空の魔女と森の魔女はモナの知っている意外な人物でした。
名言の状況
モナの魔女修行が終わりました。
モナたちの周りは白から薄ピンクに変わり、それが赤になっていきました。
赤色が青に変わり、群青色になっていきながらモナがこの世界で会った人たちが現れては消えていきました。
水の魔女が手を振っています。
モナ、あなたならきっと立派な魔女になれるでしょう。
いいえ、あなたはもうずっと前から魔女だったのよ。
この旅はそれに気づくための旅・・・
誰もがみんな魔女なのです。
信じてさえいれば・・・・
名言の本質
モナはすでに魔女であることに気がつきました。
いいえ、モナだけではありません。
私たちはみんな魔女のような不思議な力を持っているのです。
ただそれに気がついていないだけ・・・・
モナが森で会った一人ぼっちだと思っている少女に言いました。
私たちは確かに一人ぼっち。
でも、あなたが生まれるずっと前の人が、あなたを必要としてくれて、ずっと後の人がきっとあなたを待っている。
出会う人はみな、一緒に過ごす理由があるの
私たちはただいるだけで、誰かの役に立てる不思議な力があるでのはないでしょうか?
行動の応用
私たちの持っている不思議な能力に気がついて信じてみましょう。
- あなたがいなかったら、この世界は完成しません。
- あなたがいなかったら、出会いの機会はありません。
- あなたがいなかったら、私の気持ちは届いていません。
- あなたがいなかったら、苦しみや悲しみに耐えられません。
- あなたがいなかったら、大切なものに気がつくことができません。
- あなたがいなかったら、私自身の気持ちを映すことができません。
ただいてくれるだけで、誰かと出会い、元気をくれて、この世界を明るくしてくれる。
そんな不思議な能力に気がつかないなんて、もったいないですよね!
『魔女・モナの物語』の他の名言
ただ、それが夢や想像にすぎないのじゃだめなんだよ。はっきりと、こういうふうにしたらいつか魔女になれるんだということを僕にしめしてほしいんだ。
モナは「魔女になりたい」とはずっと思っていたものの、具体的にどうすればいいのか分かりませんでした。
以前担任だったフミア先生には「夢」だけじゃなく「なる方法」も考えないとだめだと言われました。
モナは納得して魔女になる方法を探し始めました。
だから人間なんて嫌なんだよ。地球上で自分たちだけが考えたり、話したりすると思い込んでるんだからね。
モナは金魚のギルが突然話したのが信じられず何回も確かめてしまいました。
それに対してギルは不服そうです。
知っていることだけが本当っていうわけじゃないさ。
再びギルの言葉です。
モナはギルにそう言われてもまだ良く分かりません。
カガミ君は「僕たちは知っていることだけを本当のことだと思うけど、知らないことの方がずっと多いだもんな」とモナの不思議な話を聞いてくれました。
その知らないことにすら気がついていない人間が多いので、人間は知っていること以外は信じません。
ちなみに似ている言葉で、モナのママはいつもこう言っています。
人間はこんな不思議なことをしてるくせに、どうして魔女とか魔法とかいうと、まるでとんでもない夢物語のように言うのでしょう。
カガミ君がインターネットを使って「魔女になる方法」を探してくれました。
あまりインターネットに詳しくないモナは、パソコンを使って世界中の人と話せたり商品を注文したりできるなんてまるで魔法みたいだと思っています。
こんな不思議なことができるくせに、どうして人間は「魔法」の存在を信じないのでしょうか?
やっぱり人間は自分たちの「知っていることしか信じない」のでしょうか。
結局はモナの願いやモナの頑張りが、モナの人生を後押しするんですものね。
2週間の「魔女になる修行の旅」に出かけるとママとパパに告げた時、心配そうでしたが応援してくれました。
ママは「色々あるけどやっぱりモナの人生ですからね」ときっぱりと言ってくれました。
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どんなこともね、いつかのいい日のためにあるんだよ。
パパはママと違って、モナが知らない世界に行くことを最後まで心配していました。
でもパパなりにモナのことを認めてくれていたのでした。
パパは「過去のどんな出来事(嬉しいこと、悲しいこと、成功、失敗)があるから、今がある」と教えてくれました。
モナが悪いことばかり起こるように感じたとしても、それはいつかの素晴らしい日のために、そうなっているんだとパパは思う。毎日、毎時間を大切にすることは、かならず、次の日やずっと後の日のいいことにつながるんだよ
モナは自分の人生の中で、これからもし、たとえ、つらく悲しいことが起こったとしてもけっして誰かを責めたり恨んだりすることはやめようと思いました。
モナが魔女の修行に出かけると学校で発表した時、普段はぶっきらぼうな同級生のホシノくんが「行くなよ」と言ってくれました。
モナは星野君の言葉が嬉しかったのですが、やはり「自分が決めたことだから」ということを手紙に書いて渡しました。
そしてふと「生まれて大きくなるまでに、いつも自分で色々なことを決めてきたこと」に気がつきました。
これからも色々決めなくてはいけないこともあるし、周りが賛成してくれないこともあるだろうけど、自分で決めることの大切さを改めて自覚しました。
「信じてる」ということは「信じてない」ことの裏返しなんだよ。
いよいよ明日は魔女修行に行く日です。
しかし、モナには詳しい時刻も出発方法も知らされていません。
ずっと「魔女になりたい、魔女はいる」と言ってきたモナでしたが、心の奥では何か不安でした。
そんなモナにギルは言いました。
信じてるっていうのは不安だから、それを打ち消したくて言っているのさ。
本当に信じているんならそんなこと言わないんじゃないかなあ
モナはこれから何を本当だと考えて何を信じていけばいいのでしょうか。
悲しくなったモナにパパとママが優しく声をかけてくれて、モナは落ち着いてベッドに入ることができました。
心って、そんな風に自由なものさ。でもね、それとは別に、本当は気持ちってどこかでみんなつながっているんだよ。
夜の12時に突然水の魔女が現れて、モナとイチジクをまぶしい光に包みこんでいきました。
気がつくとモナといちじくは様々な水道の蛇口が見渡す限り生えていました。
水の魔女が言うには、世の中の全ての水道の蛇口のもう一方の入り口がここにあるのです。
そして、家の金魚鉢にいるはずのギルがなぜか現れました。
戸惑っているモナにギルは言いました。
モナだってベッドの中にいながら、世界中を旅しているような気持になれるだろう。
心はそんなふうに自由なんだよ。
でも気持ちは別々のようでみんなどこかでつながっているんじゃないかな
気持ちは1人の心の中に納まるものではなく、インターネットのように色んな人や場所につながっているのです。
そして、人は1つの世界に納まっているものではないのです。
モナがそのことに気がつくのは旅が終わってからでした。
それはもしかしたら「いっしょにいるだけで元気になる」という魔法のひとつなのかもしれません。
モナには小さいころから飼っている”いちじく”という犬がいます。
いちじくといるとモナは優しい気持ちになれるのです。
それはきっといちじくがモナのことが大好きで大切に思ってくれているからかもしれません。
モナは自分が、またこの大きな世界の大切な一部になっているということを知ることができたと思いました。
水の魔女の城へ行くのには川を渡らないといけません。
しかし、川の中には得体のしれない黒いものが言葉を発しながらうごめいていました。
聞こうとしない者には聞こえない
本当のことは目に見えない
われらは水の魔女の宝
黒があるから白がある
ギルやいちじく、川の番人は彼らは危険だから近寄るなとモナに言います。
でも、モナは彼らの優しい本質を見抜くと同時に「黒っこちゃん」と名付けて仲良くなることができました。この
無事に川を渡ってきたモナたちに水の魔女が言いました。
このお城は黒っこを含めて、まるごとみんなで私の白、私の家なのです。
黒っこが欠ければ、このお城は完全ではなくなってしまいます。
流れている川の水一滴足りなくてもこの川は違ったものになるし、モナがいなくては、今のこの世界は完成しません。
モナは、自分も今いる世界の一部なのだと分かりました。
あなたも今いる世界の一部なんです。
あなたがいなくては、今の世界は崩れてしまいます。
昼間の日差しの中では明るすぎて、光があるということすら忘れてしまうし、光がどんなものかと考えることさえしないのに・・・・
鏡の魔女の元へ行くのに、モナたちは水の魔女の部屋に置いてある鏡の中に入りました。
真っ暗な中を歩いているのでどれくらい時間がたったのか分かりません。
すると突然何かがモナの手を握ってくれました。
それは怖いというよりも何だか懐かしく温かく感じてモナを安心させてくれました。
そして、小さな光が見えてきました。
そこでモナは初めて「光」の存在に気がつきました。
暗闇の中ではどれほど小さい光でもその存在に気づくことができるんです。
空気や光のように当たり前にあって存在を忘れているものへ感謝をしなくてはいけませんね。
相手の心は鏡に映った私自身の心なのかしら
モナの手を握ってくれたのはミラーという目と耳がない謎の人でした。
ミラーに紹介された鏡の魔女は病気でした。
そして病気になったのは鏡の世界を暗く変えてしまう魔物が暴れているからでした。
モナたちは鏡の魔女はモナに魔物を倒すように頼まれて、手渡された手鏡の世界に入り込みました。
するとみにくくてどす黒い体をした魔物が現われました。
体や息がとても臭くて、絶えず人を罵倒する言葉を吐き続けています。
しかし、モナはひるむこともなく魔物の奥に眠る悲しみと苦しみに気がつき、優しい言葉をかけてあげました。
すると魔物はモナそっくりの少女に変わっていき、マナと名乗りました。
モナはマナは鏡に映ったもう一人の自分であると確信しました。
誰かが自分に牙を向いていると感じるときは、自分の心に牙があるからなのでしょうか?
見えなくても聞こえなくても、伝えたいと思う気持ちがあれば、魂で伝えあえるということを教えてくれたのも、ミラーでした。
鏡の魔女の元に帰ることになりましたが、それはミラーとの別れを意味します。
ミラーは今ではモナにとってなくてはならない人になってしまいました。
しかし、離れていても自分の気持ちが伝わらないことはありません。
離れていても「伝えたいという思い」を持ち続けていれば必ず伝わります。
それは相手のことを忘れないということでしょうね。
本来苦しみも悩みもこの世界にとってはとても大切なものなのです。意味のあるものなのです。
魔物がいなくなると、鏡の魔女の家は明るく輝いていました。
これでもう一つの世界(モナのいる現実世界)は「意味のある苦しみや悲しみ」だけが残ったのです。
意味のある苦しみや悩みがあるからこそ、人は幸せや喜びを知り成長できるのです。
人間の気持ちだってそうだよな。つながってこその気持ちなんだよ。
パソコンはそれだけでも便利なものですが、ネットにつながると何億倍の力を授かって、全く違ったものに変わります。
それは人間だって同じではないでしょうか?
気持ちがつながってこそ、人間としてパワーアップできるのではないでしょうか?
大切なことは信じること、心の声に耳をすますこと。そして夢を持ち続けることよ。
モナは森の魔女に会うために深い森の中を歩いています。
すると、小さな女の子に出逢いました。
森の魔女に会いに来たというその少女は、モナを真っすぐ見つめて言いました。
おばあちゃんは私が元気になるといつも元気になる魔法をかけてくれるの。
わたしのおばあちゃんは魔女なのよ。
それどころか、誰だって魔女なのだから、自分を信じなさいって・・・・
モナはなぜかこの少女を知っている気がしました。
そして優しく微笑んで、こう言いました。