恋は目でものを見るのではない、心で見る、
だから翼もつキューピッドは盲に描かれている
人を見かけ、うわべ、外見だけで判断してしまう人が
- 内面を見るようになれる
- 相手だけでなく、自分への評価も変わる
- 新しい仲間ができる
『夏の夜の夢』のあらすじ
『夏の夜の夢』
作・シェイクスピア
訳・小田島雄志
白水社
『夏の夜の夢』は妖精の王夫妻の養子受け入れを巡ったケンカに巻き込まれた、人間の男女二組のドタバタ劇を描いた喜劇です。
貴族の家柄のハーミア(女)とライサンダー(男)は恋人同士。
しかしハーミアの父のイジーアスはディミートリアスという貴族の男とハーミアを結婚させようとします。
ハーミアがイジーアスの言いつけに従わないと、彼は「父の言いつけに背く娘は死刑とする」という古い法律を持ち出します。
そして、アテネの侯爵のシーシュースにハーミアを死刑にすることを願い出ます。
シーシュースは悩んだ末に、ハーミアにディミートリアスと結婚か死刑かを4日間で選ぶように言い渡します。
そこで、ハーミアはライサンダーと駆け落ちをすることを決意します。
そして、このことを女友達のヘレナにだけこっそりと打ち明けます。
しかし、へレナはディミートリアスにこの駆け落ちのことを話してしまいます。
ディミートリアスはヘレナと一緒に彼らの後を追います。
場面が変わってシーシュースとヒポリタの結婚式で披露する芝居の練習のために、6人の職人が森に集まりました。
その森では妖精王オーベロンと女王ティターニアが養子のことを巡って喧嘩をしていました。
けんかの末にオーベロンは妖精のパックにティターニアのまぶたに惚れ薬を塗らせます。
キューピッドの矢の魔法から作られたこの惚れ薬は、目覚めたときに最初に見たものに恋をしてしまう作用をもっているのです。
しかし、パックが森で寝ていたライサンダーとディミートリアスにもこの惚れ薬を塗ってしまうことで、彼ら2人がヘレナを愛するようになってしまいます。
また、パックは森に来ていた職人の1人のボトムの頭をロバに変えてしまい、目を覚ましたティターニアはロバ頭のボトムに惚れてしまいます。
名言の状況
ハーミアがヘレナに駆け落ちのことを打ち明ける場面でのヘレナの言葉です。
ヘレナは心からディミートリアスを愛しているのに、彼はハーミアにぞっこんです。
ヘレナの嫉妬心とハーミアの無邪気な心がどことなく噛み合っていなく、すれ違いの会話を生んんでいます。
恋はりっぱな美しい品のあるものに変えるもの。
だから翼もつキューピッドは盲に描かれている。
だから無分別を示すよう翼はあるけど目はない。
だから恋の神キューピッドは子供だと言われる。
だから子供である恋の神はやたらに嘘の誓いを立てる。
名言の本質
この言葉を一言で表すなら
「恋は盲目」
「あばたもえくぼ」
ですね。
恋をすると相手に対して冷静な判断ができなくなってしまいます。
そうすると、相手の欠点や嫌なところなどもまったく目に入らなくなってしまい、全てのことをいいように捉えてしまいます。
恋は短所を長所にすら変えてしまいます。
行動への応用
どちらかと言えば否定的な意味合いで使われている「恋は盲目」ですが、「恋は目で見るのではない、心で見る」の部分に注目してみましょう。
相手の容姿や家柄、財産など目に見える部分のみで判断しないで、性格や人柄など目に見えない部分を心で見ることが大切だと思うのです。
小説『美女と野獣』では美女のベルが野獣の醜い外見の中に秘められた教養と優しさに気がつく場面でこの言葉が使われています。
結局自分に合う人が一番ですよね。
飾らない素の自分を受け入れて応援してくれる人を心の目の探してみましょう!
『夏の夜の夢』の他の名言
あなたのお顔を見ることができるあいだは暗い夜ではない、だからいまは夜ではない。
またこの森はけっして人気のない場所ではない。だって私から見ればあなたは世界のすべて。