たまには、ちゃんとしたわけがあって、きまりをまもれないことだってあるんです。いくらとしょかんのきまりでもね。
「ルールだから守らなくては!」と杓子定規で頭の固い人が
- 少しルールに寛容できるようになる
- ルールを守る以上の大切なことが分かる
- より楽しい人生を送れるようになる
『としょかんライオン』についてはこちらのブログでも書いています。
『としょかんライオン』のあらすじ
いつも静かな図書館に、大きなライオンがやってきてみんな大騒ぎです。
図書館員のマクビーさんも大慌てで図書館長のメリウェザーさんの部屋へ走って知らせに行きました。
いいえ、ライオンは「静かにしなくてはいけない」という図書館の決まりを守ってとても大人しくしています。
図書館のお姉さんによる絵本のお話会が始まりました。
ライオンはじっとお話を聞いています。
でも、お話会が終わっても、もっと読んでもらいたかったライオンは残念で大きな声を出してしまいました。
ライオンはちゃんと反省て、次の日からメリウェザーさんの仕事を手伝うようになりました。
お話会の前に本棚の掃除をしたり、子どもたちに本をとってあげたり
ライオンは図書館に来る人たちの人気者になっていきました。
ある日、メリウェザーさんが踏み台に乗って本を取ろうとしたら落ちて倒れてしまいました。
ライオンはマクビーさんのところまで走って行き、大声を出して知らせました。
マクビーさんはびっくりしてメリウェザーさんの部屋まで走らないように気をつけてライオンのことを伝えに行きました。
その間にライオンはうなだれて図書館から出ていき、それから図書館に来なくなってしまいました。
メリウェザーさんは左手を少しケガしただけでしたが、ライオンがいないことがとても寂しく感じました。
図書館に来る人たちもライオンがいなくて寂しそうです。
そこで、マクビーさんは仕事が終わってからライオンを探しに出かけました。
すると、図書館の入り口にライオンが座っていました。
次の日、ライオンは図書館に現れました。
メリウェザーさんも図書館の子供たちもみんな大喜びでした。
名言の状況
ライオンが走って大声を出してしまったことに、マクビーさんは「ライオンは決まりを破った!」とメリウェザーさんに知らせに行きました。
しかし、踏み台から落ちて倒れていたメリウェザーさんはマクビーさんに「ちゃんとした理由があったのだから、決まりを破ったライオンは悪くない」と言いました
名言の本質
「決まりだから!」と杓子定規に何でもかんでも従わせるのはどうなんでしょうか。
メリウェザーさんが倒れているのに、走っちゃいけないからとライオンが抜き足差し足でそ~っとゆっくり歩いて、大声を出してはいけないからと誰にも聞こえないくらいの小声で吠えたりしたら、もしかしたらもっと深刻な事態になっていたかもしれません。
こういう緊急事態では決まりを守っている場合じゃありません。
少しでも早く走って、大きな声で誰かに知らせる必要があります。
「決まりだから絶対に守らなくてはいけない」と思わずに、TPOに合わせて行動する柔軟な姿勢と考えが大切だということですね。
行動の応用
図書館には、「大声を出さない」「走ってはいけない」という決まりがあり、守れない人は図書館にいることはできません。
しかし、この決まりを守っていれば誰でも入っていい場所でもあります。
たとえライオンでも。
だからメリウェザーさんも大人しくしているライオンを追い出すことはしませんでした。
そして図書館だけではなく、世のなかには「決まり」がたくさんあります。
「決まりは守るもの」。でも、それだけがすべてではない、
決まりを守ることより、もっと大事なことがあります。
人が倒れていたら、決まりを無視してでも助けたり知らせにいかなくてはいけません。
救急車も人を助けるときは交通ルールを破っても許されます。
それがこの絵本の本質なのですが、そんなことは子どもでも分かりますよね。
でも、「決まりは決まりですから認めません!!」という頭が固い大人っていませんか??
それが実はあなただったりしませんか?
メリウェザーさんもライオンに会うまでは決まりを守ることを第一に考える頭の固い大人でした。
でも、ライオンが戻ってきたのを聞いて、嬉しくて廊下を「走って」しまいました。
そして、次の絵では子どもたちと一緒に万歳をしている絵が描かれています。
言葉は分かりませんが、多分大きな声を出しているのでしょう。
彼女の表情も優しくなって、一緒に働いている人たちもなんだか楽しそうです。
決まりは守らなくてはいけない。
それを第一に考えなくてはいけないのですが、あまり「決まり決まり!」と縛っていると、疲れてつまらない人生を送ってしまうことにもなりかねません。
TPOに合わせて誰にも迷惑をかけない、みんなが喜ぶのなら「ちゃんとした理由」を見つけて少しくらい「決まり」を破るのも悪くはないのではないでしょうか。
『としょかんライオン』についてはこちらのブログでも書いています。