君の、名前は?
一人でいるとなぜか気分が落ち込んでくる人が
- 人と話すことで気分が晴れる
- 直接人と会う価値が分かる
- 人と人とのつながりを大事にするようになる
『君の名は』のあらすじ
第一章 夢
瀧と三葉は夢を見ていました。
けれど、どちらも見ていた夢を思い出すことが出来ません。
2人とも東京で社会人として働いています。
「私は鏡を見つめながら髪を結う。春物のスーツに袖を通す。私はアパートのドアを開け、ようやく見慣れてきた、東京の景色が私の前に広がっている」
「俺はようやく結び慣れてきたネクタイを締め、スーツを着る。」
2人とも、東京の人混みの中からある1人を探す日々を送っているのです。
第二章 端緒
高校生の瀧が目を覚ますと、三葉の体に変わっていました。
本当に女?・・・・これは・・・
居間に行くと、妹の十歳の四葉と祖母の一葉が朝食をとっていました。
この時は三葉本人の意識に戻っているのですが、色々とおかしいことが起きているようです。
「今日は普通やなあ」「昨日はやばかったもんな!」と二人から身に覚えないことを言われたり、学校のノートには「お前は 誰だ?」と書かれていたり。
クラスメイトのテッシーとサヤちんも、三葉の昨日の行動を気にしていましたが、さすがに人格が入れ替わっていることには気付いてはいません。
後日、ご神体のある宮水神社では豊穣祭が行われ、三葉と四葉姉妹の「口噛み酒」の儀式も行われました。
第三章 日々
三葉が目を覚ますと、瀧の体になっていました。
友人らしきツカサからの連絡に焦りながらも学校に行く途中で、三葉は憧れの東京を歩いていることに感動しています。
放課後、バイト先でドラブルに巻き込まれますが、これがきっかけで三葉(瀧)は奥寺先輩と仲良くなることができました。
ノートに書かれていた「お前は 誰だ?」を思い出して、三葉は瀧の手のひらに「みつは」と書きました。
翌日、瀧が目を覚ますと手のひらには「みつは」の文字が残っています。
さらに、スマホの日記アプリには見覚えのない奥寺先輩との行動が書かれていて、びっくりします。
三葉が目を覚ますと腕には「みつは???お前はなんだ???お前は誰だ???」の文字が書かれtいました。
三葉のノートには友達や家族について書かれていて、びっくりします。
これがキッカケで、夢の中でお互いが入れ替わっていることに気づきます。
もしかしてー入れ替わってる?
三葉は「彗星」デートのことを書き残していましたが、瀧には何のことかわからず、次の入れ替わりの時に聞こうとしていたものの、もう二度と入れ替わることはありませんでした。
第四章 探訪
瀧は記憶を頼りに、夢で見た風景をスケッチブックに描き殴っています。
そして、その場所を探そうと三日分の着替えとスケッチブックを持って家を出ました。
新幹線に乗ろうとすると、なぜか奥寺先輩とツカサの姿があり結局3人で三葉の住んでいたところに向かいます。
絵だけでは手掛かりをつかめずにいたところ、入ったラーメン屋でそこは【糸守町】という町であるということを突き止めます。
しかし、糸守町は既に無くなっていました。
というのも、3年前にティアマト彗星が糸守町に激突したからです。
そんなわけないと思って瀧が三葉の書いた日記アプリを開くと、これまでの日記が全て消えていきました。
その夜は旅館に泊まることになり、瀧は自分の右手首に巻かれている組紐に気がついて、ある場所を思い出します。
もしかして「あの場所なら」と、瀧はご神体のある山に向かいます。
そこには3年前に三葉と四葉が奉納した口噛み酒がまだ置いてあり、瀧は三葉の口噛み酒を飲んでみます。
しかし、何も起こらない・・と立ち上がろうとすると、足元がもつれて転んでしまいます。
でも、仰向けに転んだはずなのに背中がいつまで経っても地面にぶつからない。
すると、ご神体の天井に描かれている彗星に気がついたとたん、彗星が瀧に向かって落ちてきました。
第五章 記憶
ティアマト彗星落下の当日、三葉たちは彗星を見に行こうとしていました。
瀧は夢の中で「逃げろ!」と叫ぶものの、三葉には聞こえません。
第六章 再演
ティアマト彗星落下の日、瀧と三葉は入れ替わりました。
「おや、あんた、三葉やないんか?」と祖母の一葉は入れ替わりに気づいたらしく、かつて彼女自身も同じ体験をしたことがあると話します。
どうやら、宮水家には入れ替わりの能力が代々伝わる家系らしいのです。
しかし彗星落下の話は信じてもらえず、三葉(瀧)はテッシー・サヤちんに相談し強行作戦を決行することにします。
サヤちんは役場放送からの呼びかけ、テッシーは発電所爆破、三葉(瀧)は町長である三葉の父親説得を担当します。
父親を説得できなかった三葉(瀧)はテッシーの自転車を借りてご神体に向かうと、三葉はご神体に倒れている瀧の体で目を覚まします。
ご神体から外に出ると、糸守町が無くなっていたことから、「あの時、私は死んだの?」と気づきます。
3年の時空を超えて、ついに2人は出会います。
瀧は中学の時に三葉が東京で渡してくれた組紐のことを思い出し、それを三葉に渡します。
そして、目が覚めても名前を忘れないようにと、手のひらにお互いの名前を書こうとします。
瀧が三葉の手のひらに名前を書き、三葉が瀧の手のひらに描こうとした瞬間、三葉の姿は消えてしまいました。
第七章:うつくしく、もがく
3年前に戻った三葉は瀧の名前を繰り返しながら、ひたすら走りテッシーと合流して変電所に向います。
ティアマト彗星がだんだん大きくなっていき、三葉とテッシ―ーは発電所の送電塔を爆破して糸守町を停電させます。
非常用電源に切り替わった瞬間に、サヤちんは避難指示の放送を流しますが、町民は全く避難しようとしません。
サヤちんの放送が気づかれてしまい、糸守町役場から待機指示の放送が流され、役場に向かう三葉の目には分裂した彗星が落ちていくのが見えました。
第八章:君の名は。
瀧は就活真っ最中。
だが、未だに一社も内定をもらえていません。
後日、瀧は奥寺先輩と会い、5年前の旅のことを話していました。
当時彗星の破片が糸守町に墜落しましたが、町を挙げての避難訓練中で、町民の大半が助かったこと。
瀧が喫茶店に入ると、後ろの席のカップルがブライダルフェアの話をしていた。
みょうに方言のある2人の名前の呼び方に瀧は思わず目をやります。
三葉と瀧はいつものように電車に乗っています。
その瞬間、なんの前触れもなく、俺は出逢う。
とつぜんに、私は出逢う。
瀧と三葉はお互いの存在に気がつき、電車を降りてお互いの姿を探し合います。
階段の上で2同じタイミングで振り返りました。
微笑む瀧、泣きながら笑う三葉。
2人は同時に口を開きました。
名言の状況
ティアマト彗星が二つに割れて糸守町に衝突寸前でも、三葉は必死に町役場に向かって走ります。
もう少しで着くというところで、三葉は出会った忘れられない人のことを思い出します。
しかし、名前が思い出せません。
思わず転んでしまい、そのときに彼が手のひらに名前を書いてくれていたのを思い出します。
しかし、開いた右手の手のひらには名前ではなく、「すきだ」と書かれていました。
私は泣きながら笑って、君に言う。
これじゃあ、名前、分かんないよー。
再び三葉は走り出します。
もうなにも怖くない。もう誰も恐れない。もう私は寂しくない。
やっとわかったから。
私は恋をしている。私たちは恋をしている。
だから私たちは、ぜったいにまた出逢う。
だから生きる。
私は生き抜く。
たとえなにが起きても、たとえ星が落ちたって、私は生きる。
名言の本質
「隕石が落ちて町は全滅する」という”事実”を、三葉は必死で変えようとします。
隕石衝突は避けられないので、三葉ができることは墜落地点からより多くの人を避難させ"全滅"を防ぐことでした。
とはいっても、突然「隕石が落ちる!みんな逃げて!」と女子高生が叫んだところで、誰も信じません。
三葉、サヤちん、テッシーの住民を避難させる計画は失敗寸前です。
しかし、三葉は最後の最後まで走り続け、住民を助けようともがきます。
いよいよ隕石が糸守町に落ちるその時、倒れた三葉を勇気づけ再び走らせたのは、瀧が手のひらに書いた言葉でした。
しかし、それは三葉が知りたかったものではありませんでした。
これじゃ、名前分かんないよ。
「君の名は」の答えがなかったことが、三葉に生きる勇気を与えたのでしょう。
それともう一つ。
三葉はここで自分の気持ちに気がつくことができました。
この気持ちを伝えるまでは絶対生きなくてはいけない。
君の名前を知るために、私たちは必ず出逢う。
いや、出逢わなくていけない。
それまでは絶対に死ねない。
たとえ星が落ちたとしても。
「相手のことを知りたい」、「自分の気持ちを知ってほしい」という想いは、例えどんな状況になっても勇気づけてくれて生きる力を与えてくれるんですね。
行動への応用
僕は今ケガをしていて休職中です。
今住んでいるところは仲の良い友人とかもいないので、誰とも交流することなく毎日一人でパソコンに向かっています。
収入も今はないのでなるべくお金をかけないように、ずっと部屋に閉じこもっていました。
しかし、そんな生活が1週間くらい続くと体調が悪くなりぼーっとすることが多くなって無気力になっていきました。
これは軽いうつ状態になったと感じ、これではいけないと強制的に外に出るようにし、無理にでも人に声をかけるようにしました。
道ですれちがえば挨拶をしたり、喫茶店の人とおしゃべりしてみたり。
すると一日それを実行しただけで、元気が出てものすごく気分が軽くなっていくのを感じました。
そして、とにかく人と一言でも会話を交わす という生活を今も続けています。
そのおかげで、休職して一か月近く経ちますが以前のような落ち込む気持ちになることがかなり少なくなりました。
このことがあってから、僕は一人で引きこもるのは無理だ、人と会わないといけない、ということに気がつきました。
それはなぜかと思っていたのですが、『君の名は』を読んで分かりました。
家にずっといては自分の存在は誰にも知ってもらえず、「死んだ」も同じ状態です。
人と話すことで自分の存在を知ってもらえることは生きる勇気を与えてくれるんですね。
そして、誰かと話すということは「相手のことを知りたい」ということでもあります。
だから話すんです。
このことも元気をもらう源になっていると気づきました。
やっぱり人は一人では生きられないんですね。
「相手のことを知りたい」「自分のことを知ってほしい」という欲は生きる勇気を与えてくれることをもう一回思い出してほしいと思います。
なんか最近一人でいることが多くて、元気出ないなと思っていたらとにかく人と喋ってみることをお勧めします。
僕の体験からもお墨付きです!!
『君の名は』の他の名言
私は、俺は、だれかひとりを、だれかひとりだけを、探している。
そうやってずーっと糸を巻いとると、じきに人と糸との間に感情が流れ出すで
まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。
捻れて絡まって、時には戻り、またつながって。それがムスビ、それが時間
最初は二人で一つだったのに、つながっていたのに、人はこうやって、糸から切り離されて現世に落ちる。
私は生き抜く。たとえ何が起きても、たとえ星が落ちたって、私は生きる。