じゃんけんにかってもまけても、しなくちゃならないことは、しなくちゃならないの
すべきことをさぼりがち、又はしていることにやりがいを感じられない人が
- すべきことの大切さを実感できる
- 自分の行動に責任を感じるようになる
- 思いやりをもてるようにもなる
『じゃんけんのすきな女の子』のあらすじ
あるところに、じゃんけんがとても好きな女の子がいました。
女の子は誰とでもじゃんけん。
何を決めるのもじゃんけん。
寝る前に歯磨きするのも、自分の出したものを片付けるのも、お父さんやお母さんの言うことも全てじゃんけんで決めようとします。
あまりにじゃんけんで決めようとするので、お父さんもお母さんもじゃんけんをしてくれなくなりました。
ほんとにいつになったら、じゃんけんで決めていいことと悪いことがあるってことが分かるようになるんでしょうね。
お父さんもお母さんもじゃんけんをしてくれなくなったので、女の子は1人じゃんけんを思いつきました。
右手が勝ったらする、左手が勝ったらしない。
不思議なことにじゃんけんはいつも女の子の望むような結果に終わるのです。
そんなある日のことでした。
女の子がお昼寝をしていると、大きな猫が入ってきました。
そして、女の子にじゃんけん勝負をしようと言い出しました。
女の子はねことのじゃんけんを通して、「物事にはじゃんけんで決めていいことと悪いことがある」があることを学びました。
それから女の子はじゃんけんで決めなくても、家のお手伝いをするようになりました。
名言の状況
女の子がお昼寝をしていると、大きなねこが突然入ってきて言いました。
ここは本当に君の家?
ここが君の家だってことはちゃんとじゃんけんして決めたんですか?
あなたがお父さんやお母さんと呼んでいる人たちはどうして決まったんですか?
じゃんけんをしたんですか?
僕がじゃんけんで勝ったらここは僕の家、あの人たちは僕のお父さんとお母さんになりますからね
女の子が唖然としているのも構わずにねこはさっさとじゃんけんを始めてしまい、勝ってしまいました。
これでこの家とお父さんとお母さんも僕のものです。
きみにはここから出て行ってもらいましょう!!
「だめーー!ものごとにはじゃんけんで決めていいことと悪いことがあるんだよ!
じゃんけんじゃない!
じゃんけんで決めちゃだめ!
女の子はここで目が覚めました。
その後、女の子はお母さんの夕食の手伝いをじゃんけんなしでお手伝いしました。
そこへお父さんが帰ってきました。
おや、じゃんけんしないで、お手伝いするのかい?
じゃんけんにかってもまけても、しなくちゃならないことは、しなくちゃならないの
ほう、さようでございますか
名言の本質
自分のすべき役割はきちんと果たさなくてはいけないということですね。
たとえそれがあまりやりたくないことでもです。
お母さんが女の子に言っていました。
もしみんながじゃんけんで決めたらどうなるのか
- 先生が学校に来るか来ないか
- お医者さんが診察するかどうか
- お父さんが会社に行くかどうか
- クリスマスにサンタクロースがプレゼントをあげるかどうか
女の子は「別にいいもん」と気にしていませんでしたが、ねこに家やお父さん、お母さんをとられそうになって初めてお母さんの言っていたことが気がつきました。
行動への応用
子供向けの本なので、メッセージは分かりやすいですが、突き詰めると大人でも毎日感じていることではないでしょうか?
- できればやりたくない・・・
- できればさぼりたい・・・
- できれば誰かにやってほしい・・・
しかし同じ社会で生活している以上、自分だけしたいことをするというわがままは通用しません。
もちろん、今日はなんだか仕事やりたくないとか家事をしたくないという日だって当然あります。
それでも、みんな自分のすべきことをがんばってしています。
そうしないと社会が成り立っていかないからです。
「俺は一人暮らしだし家事をしなくても誰にも迷惑かけてない」という人がいますが、本当にそうでしょうか?
例え一人暮らしの家でもあなたが家事をしなければ汚れや洗い物はどんんどん溜まっていくだけです。
そして、においやハエなどが発生して他の部屋の人に迷惑をかけてしまうかもしれません。
そして、「自分のしていることは小さくて無意味なのではないか」とやりがいを感じない人にとってもこの言葉は効きます。
あなたのしていることがなくなれば、どこかで困る人や困ることが必ず起きます。
”バタフライ効果”という言葉を知っていますか?
どんな小さい変化でもどこかで大きな変化を生みだしているという意味です。
あなたのしていることが影響を及ぼすのは目に見えないことだったり、しばらく経ってからかもしれません。
それでも確実に、世界のどこかで大きな影響を与えています。
だから、あなたのしていいることが無意味だとか決して思わずに誇りをもって真面目に続けていってくださいね。
ここに登場する女の子は自分でも悪いことをしていると、心のどこかで思っていたのでしょうね。
だから、あんな怖い夢を見てしまったんだと思います。
家やお父さん、お母さんをとられてしまっては大変ですからね・・・・
『じゃんけんのすきな女の子』は著者の松岡享子さんにとっては40年ぶりの続編になります。
前作は『なぞなぞのすきな女の子』という作品で、この二人の女の子は姉妹だそうです。
興味がある方はぜひ読んでみてください。
『なぞなぞのすきな女の子』
なぞなぞあそびの大好きな女の子とはらぺこのオオカミが、森でばったり出会いました。うまそうな女の子だぞと舌なめずりしたとたん、女の子になぞなぞを出されて、オオカミは大弱り。さあ、どんななぞなぞかな?なぞなぞがいっぱい出てくる楽しい幼年童話。
商品説明より