考えなければならないのは、どうやって自分の欲しいものを手に入れるかではない。
どうしてそれを手に入れなければならないのかである
十分持っているのにまだ新しいものを買いたい、手に入れたいという人が
- 本当に欲しいものだけを手に入れられるようになる
- モノを選ぶ基準が分かる
- 人と比べない人生になる
『福に憑かれた男』のあらすじ
松尾秀三は父親が他界したのをきっかけに実家の長船堂書店を継ぎました。
継ぐ前はお客さんがたくさん来て店が繁盛して成功すると未来しか思い浮かべていなかった秀三でしたが、現実は甘くありませんでした。
長船堂書店を訪れる客は日に日に減る一方です。
とどめに近所に大型の書店や雑誌を24時間買えるコンビニがオープンしてしまい、ますます経営は苦しくなっていきます。
ついに秀三は閉店を決意しますが、ある老人が店に訪れたことから秀三の考え方が変わっていきます。
そして考え方が変わったことによって、彼の人生そのものが変わっていきます。
実はこれは秀三に憑りついた「福の神」の仕業だったのです。
福の神が提供できるものは、「憑く人に影響を与える人との『素敵な出会い』」だけです。
例えば憑いた人間が「優しい人」になりたいと願った場合、「優しい人」になるための経験を与えてくれる人との出会いを用意するだけです。
福の神が憑くことができる人の条件として、
- 「人知れずいいことを繰り返し、その量が一定値を超えた人」
- 「他人の成功を心から応援、祝福し、その量が一定値を超えた人」
- 「すべての人を愛することができる人」
これらのうちどれかを満たしている人でなければ、福の神はその人に憑くことはできません。
また、憑いた後でこれらの条件を満たしている人でなくなってしまった場合、福の神は憑き続けることはできません。
名言の状況
秀三の考えを変えるきっかけになった老人、山本天晴の言葉です。
秀三はそれまで、店にお客さんが来ても「買ってくれるかどうか」という売り上げ、つまり彼らの”財布”ばかりを気にしていて、その人自身のことは全く見ていませんでした。
しかし、お客さん自身に注目して見かたを変えると、その人に興味がもてるようになり売れる売れないに関係なくおススメの本を探したり紹介できるようになりました。
秀三の接客に比例て客足も売り上げも順調に伸びていきました。
しかし、売り上げが上がるほど別の不安が押し寄せてきて、秀三はますます不安になるのでした。
名言の本質
たくさんのお金や欲しいものを手に入れたとしても、それ以上の生活をしている人はたくさんいます。
だからもう十分持っているのに「新製品だから」とか「みんな持っているから」とかいう理由では手に入れた瞬間に次の新しいものに目がいってしまうでしょう。
「買ったら満足してあまり使わない」というやつです。
大切なのは「どうしても〇〇をしたいから、××が必要である」という確信をもつことです。
”どうやって手にいれるかではなく、どうして手にいれなくてはいけないのか”
行動への応用
生きる目的を見つけたときには、それを実現するためのものが必要になってきます。
それは手に入れても決して不安になることはない普遍的なものなのです。
毎日毎日生活を豊かにする新製品が発売されていて、とても魅力的に感じます。
「あったらいいなあ」とは思うのですが、別に今の生活は事足りてるし今すぐ買わなくても別に不自由しないし・・とスルーしています。
以前の僕は新しいものを多少無理して買っていたこともありますが、結局宝の持ち腐れになってしまったことが何回もあります。
それに懲りたのもあるし、あまり部屋にモノが増えるのも好きではないので今はあまり物欲がなくなりました。
あまり人の評価や流行に振り回されずに、”自分”をもっていれば本当に必要なモノが分かるのではないでしょうか。
『福に憑かれた男』の他の名言
人間は僕たちの想像を超えて、ほんの一瞬で成長することができる存在であるということ
福の神ができることは、人と人をつなぎ合わせること。
そこから人間たちがどう考えて行動するかはその人次第です。
その成長は福の神でも予期できないほど大きな場合もあります。
本当に優しい人というのは、多くの痛みを経験した人でなければなるのは難しいのです
痛みを経験したことがなければ、人の痛みは分かりません。
その痛みが多ければ多いほど人には優しくなれます。
どんなことが起ころうとも勇気を持って行動するものには、後から、あのおかげで幸せになれたという瞬間が必ず与えられるんじゃ
閉店の危機に直面した時に、天晴老人が状況を変えるアドバイスを秀三にします。
それは秀三にとってはかなりハードルが高いもので躊躇してしまいます。
そこで勇気を持って行動して状況が変われば、あの時のアドバイスがありがたかったなと感謝するものです。
目の前にいる人に心から興味を持つ
店の中にいる客よりも外にいる人をどうやって中に入れるかばかりを考えていた秀三でした。
せっかく店に訪れてくれた人に何の興味も持たないようでは、これから先なんの商売をやってもうまくいくことはない。
商売に限らず、人間関係のコミュニケーションでも同じですよね。
今話している人に興味を持たないようでは、うまくいくわけがありません。
思ったような結果が得られなかったとしても、自分の使命に向かって前進する生き方を続けることができる人でなければ、その使命を全うする生き方なんてできるはずがありません。
何かに挑戦してもいきなり成功する人なんてまずいません。
失敗したからといってそこでやめてしまう人が、自分の納得のいく人生を送れるはずがありません。