検索ではたどり着けない新しい世界をいつも用意してくれているところ
本はネットで買ったり情報はネットで調べれば十分と思っている人が
「あるかしら書店」は、町のはずれの一角にあります。
この本屋さんは「本にまつわる本」の専門店。
お客さんが「〇〇についての本 あるかしら?」とお客さんが尋ねると、「ありますよ!」と店のおじさんが奥から出してきてくれます。
ゴザイマス。
こちらはいかがですか?
『本屋さんってどういうとこ?』
僕はネットでも本を買うことはあるけど、本屋に行くことはやめられません。
なぜなら、予期せぬ出会いがあるから。
その出会いを求めて、今日も本屋に行ってしまいます。
ネットだと自分の欲しい本を検索して見つけるので、ピンポイントでその本にしか出あうことができません。
最近は関連本もおすすめしてくれるようにはなりましたが、それでも近い世界にしかいけないですよね。
ところが、本屋に行けば自分が絶対行かないであろう世界の本に出会うことができます。
本屋に行くことで世界観がとても広がります。
今の自分の悩みや疑問が思ってもいなかった世界で解決することだってあります。
だから、リアル本屋は小さな宇宙。
手軽に宇宙旅行ができる場所に行かないなんてもったいないですよ。
毎年「読書の秋」になると、本が実ります。(実をつけるまで何年もかかる木もあります)
『「作家の木」の育て方』より
好きな本の間に種を挟んで埋めると、本が実ります。
でも、立派な本が実るにはとても手間がかかります。
何年もかかる場合もあります。
だからこそ、出会った本はとても貴重なもので感謝して読まなくてはいけないと思うのです。
本が好きな人に本当の悪人はいないのさ
『読書履歴捜査官』より
読書履歴捜査官は「容疑者が読んできた本を見抜く超能力で事件を解決する」特殊能力を持っています。
容疑者を説得するのに彼が今まで読んできた本のことを思い出させ、あの頃の気持ちにさせます。
本を読んでいるときは純粋で穏やかな気持ちだったはずです。
そんな本好きに悪人がいるはずはありません。
優れた文庫犬になると、その人が最も必要としている本のジャンルを自ら選んで持っていくことができます。
『文庫犬』より
文庫犬は特別に訓練された犬で、一人暮らしのお年寄りや引きこもりの若者など寂しい思いをしている人に合う本を選んで運ぶのが使命です。
一冊の本から勇気をもらえるってことありますよね。
ホントにこんな犬がいたらもっと明るい世の中になると思います。
そして、家から持ってきた「天国のあの人に読んでもらいたいその年おススメの1冊」を本棚に入れます。
『お墓の中の本棚』
一年に一度だけのお墓参りの時だけ、そのお墓は開きます。
中には本棚があって故人が好きだった本がたくさん入っています。
その中から一冊を選んで持ち帰り、代わりに持ってきた「天国のあの人に読んでもらいたいその年おススメの一冊」を入れておきます。
死んでからも本を読んでほしいって素敵な考え方ですね。
「作者のキモチ」は専門の職人によって選ばれた「未来の作家」へとコッソリ受け渡されます。
『本のその後』
読み終わって捨てられる本は「本リサイクルセンター」に運ばれて、色んなものに分解されます。
その中に「作者のキモチ」というものがあり、専門の職人が吹き矢で子どもたちに撃ちます。
子どもたちは体中に「作者のキモチ」のエキスが回り、作者の影響を受けてしまいます。
古今東西「図書館」というものを発明した人は、誰でもきっとそりゃもうワクワクしたにちがいない。
『ラブリーラブリーライブラリーその2』
誰でも好きなだけ本を読める場所を最初に考えた人は本当にすごいと思います。
その時の気持ちを想像すると、僕までワクワクしちゃいます。
だから、ぼくたちは、本が、好きなのだ。
人間と本はとても似ていますね。
だから電子書籍が台頭してきても、ぼくたちは実体のある本に魅かれ離れられないのかもしれませんね。