探しているものは、そのランプのなかには見つからないぞ
もう十分もっているのにまだまだ欲しいものがある人が、
- 本当に必要なものを見つけられるようになる
- 自分のための価値が分かる
- いちばん大切なものの探し方が分かる
『アラジン』のあらすじ
ある船乗りが子ども2人と海の上で船に乗っています。
向こうに見える豪華な船をうらやましがる子どもたちに船乗りはあることを諭し、「アラジンと王女とランプの話」を始めます。
王都アグラバーで暮らすアラジンは貧乏ですが、誠実で勇敢な心をもっている青年です。
相棒で親友の猿のアブーと市場で食べ物を盗んでは、衛兵に毎回追い回されています。
ある日、お城から抜け出し衛兵に捕まりそうになった王女ジャスミンをアラジンは助け出して彼女に恋をしてしまいます。
どうしてもジャスミンに会いたくお城に忍び込んだアラジンでしたが、大臣のジャファーに見つかり死刑か命令を聞くかの二択を迫られます。
ジャファーの命令に従うしかなかったアラジンは洞窟から古いランプを持ってくるように言われます。
空を飛ぶ魔法のじゅうたんとも出会い、ランプを手に入れますがジャファーの策略にはまり洞窟内に閉じ込められてしまいます。
幸いランプは渡さずにすみましたがこれからどうしようかとたまたまランプをこすったら、青色の巨大な魔人、ジーニーがランプから煙とともに出現します。
ジーニーは人を生き返らせたり過去や未来に行くという以外は、ランプをこすった人の願いを3つまで叶えることができる能力をもっています。
ジーニーの能力で洞窟内から脱出し、アラジンは1つ目の願いで”アバブワ王国のアリ王子”にしてもらいます。
なぜならジャスミンは父親との約束で王子としか結婚できないので。
アラジンたちは仰々しい行列とともに、ジャスミンに会いに行きます。
何となく市場で出会った貧乏な青年ではないかとジャスミンに疑われ始め、アラジンは「アグラバー市民の現状を見るために変装していた」と嘘をつきます。
そんなアラジンにジャスミンは共感して、何となく2人は気持ちが通じ合っていきます。
一方、大臣のジャファーは密かにアグラバーの乗っ取りを企んでいて、計画を進めていきます。
乗っ取りのためにジャスミンとの結婚が不可欠なジャファーにとって、アラジンは目障りな存在になっていきます。
アラジンを色んな方法で始末しようとしますが、ジーニーの助けやアラジンの機転もあってなかなか成功しません。
しかし、ついにジャファーはアラジンからランプを盗みジーニーに願い、アグラバーの王の座を手にいれてしまいます。
そしてアラジンはジャファーの魔法によって本来の貧乏なアラジンの姿に戻されて、ジャスミンに嘘がばれてしまいます。
ジャファーは強力な魔法でアラジンを追いつめますが、アラジンの最後の機転によって墓穴を掘ってしまい魔法のランプに閉じ込められ、永遠に砂漠に封印されてしまいました。
アラジンは勇気と貢献が国王に認められ、ついにジャスミンと結婚することができました。
アラジンは最後の願いでジーニーを自由にし、ジーニーは夢だった世界旅行にジャスミンの侍女のダリアと一緒に旅立っていきました。
船を波止場につけた船乗りと子どもたちは、アラジンたちのその後の話が気になってしょうがありません。
その続きを話そうとした瞬間、彼らの後ろに見覚えのある2人と1匹の“親友”が立っているのでした。
名言の状況
ジーニーの魔法でアグラバーの王になり全ての力を手に入れようとするジャファーに、アラジンはこの名言を叫びます。
名言の本質
アラジンはジャスミンと結婚するためにジーニーに「王子にしてほしい」と願います。
その結果、きれいな衣装を身につけアブーを象に変えて豪華絢爛なお付きの人たちを召し抱え、見かけは立派な”アバブワ王国のアリ王子”になることができました。
しかし、心だけは貧乏なアラジンのままで外見と中身のギャップに苦しみ、本物の王女のジャスミンとは釣り合わないのでないかと焦ってしまい、嘘をついていることにもずっと悩んでいました。
ジーニーは色々忠告してくれていたのに耳を貸さずにけんかをしてしまい遠ざけてしまい、ジャスミンとも険悪な感じになってしまいました。
ジーニーはずっと正しかったー魔法だけでは王子になれないのだ。
それが分かっているから、ジーニーの魔法があれば全てが手にはいると思っているジャファーにアラジンは忠告します。
「あんたを救うために戻ってきたのさ」
しかし、ジャファーはそれを拒否しアラジンを追い詰めますが、その思い上がりが仇になり返り討ちにあってしまいます。
それに、何千人もの願いを叶えてきたジーニーによれば、ランプをこするのは大抵金と権力に目がくらんだ男だそうです。
彼らの何が問題なのかジーニーは教えてくれます。
そういうやつにとっては、どれほど多くを手に入れても十分じゃないんだ。心の奥底で、自分に欠けているものがあると思ってるからな。
アラジンも見かけだけは王子になっても、嘘をつかなくてはならずに心は満たされませんでした。
これらから言えることは「一番大切なものを見つけないと、心は満たされない」ということではないでしょうか。
行動への応用
サン=テグジュペリの『星の王子さま』には有名な名言 「大切なものは目に見えない」というものがあります。
自分にとって本当に大切なものは心で感じなくてはいけない。
『星の王子さま』の名言についてはこちらで説明しています。
アラジンやジャファーの探していたものは、決してランプの中にあるものではなかったのです。
アラジンは途中でそれに気がつき、ジャファーは最後まで気がつけませんでした。
それはどこにあったのか?
それは心でしょう。
アラジンにとって1番大切なことは王子になることより、ジャスミンと結婚するということだったのでしょう。
ジャファーは国王になれたのに、さらに力を持つ魔王になろうとして失敗しました。
ジャファーには本当に大切なものが分からなかったのかもしれません。
お金もモノもあって部屋にあふれているのに、もっと欲しいと思ってしまう人は心が満たされていないのではないでしょうか?
何が本当に大切なのか一度考えてみてください。
あなたの本当に欲しいものはどこにありますか?
『アラジン』の他の名言
本当の価値は、決してうわべのきれいさではない。もっと深いところにある
プロローグで豪華な船をうらやましがる子どもたちに、船乗りが「目を閉じて考えてごらん」と諭します。
今乗っている船は古いけど、今までの航海の経験や歴史がある。
そういう目には見えない価値を心で感じ取れたらいいですよね。
だが願い事を言うときには、言い方が重要なのだ。
ジーニーによれば欲に目がくらんだ人間は、願いを叶えてもらう時に焦ってしまい言い方に失敗してしまうことがよくあるそうです。
「王子になりたい」と願う時に、「願いは王子だ」と言ってしまい本当に”王子”がずっとついて回ることになった男もいたそうです。
願いはよく考えて願わないと、害になってしまうということもあるんですね。
この街が美しいのは、ここで暮らす民が美しいからね。
空飛ぶじゅうたんに乗って、ジャスミンとアラジンは夜の街を飛んでいます。
上空から見下ろすアグラバーの街で行われている結婚式を見ながら、ジャスミンは実感します。
美しい心をもつ民がいれば町は美しくなる。
その民には心を理解している為政者が必要であり、その為政者にジャスミンはなりたいのです。