今、その道は、曲がり角に来たのよ。曲がったむこうに、なにがあるかわからないけど、きっ とすばらしい世界があるって信じていくわ。
不安で新しいことを始めるのにためらっている人が、
『赤毛のアン』
作・モンゴメリ
訳・松本侑子
文藝春秋
1870年代のプリンスエドワード島にある一軒家、通称「グリン・ゲイブルス」、にはマシュウとマリラという老兄妹が暮らしていました。
二人は畑仕事を手伝ってくれる男の子を養子にしようと考えていたのですが、手違いで孤児院からやってきたのは11歳の赤毛の小さい女の子でした。
彼女の名前はアン・シャーリー。
最初は彼女を送り返そうとしていたマシュウとマリラでしたが、アンの想像力の豊かさに「退屈しないだろう」ということでアンを手元に置いておくことを決意します。
とにかくお喋りで思ったことをすぐ口に出してしまうアンにマシュウとマリラは振り回されますが、次第に彼らの間に愛情が生まれていきます。
そしてアンは生涯の友情を誓い合う腹心の友、ダイアナと出会います。
さらに、学校ではアンの赤毛を「ニンジン」とからかってアンに石板で頭を殴られる未来の旦那、ギルバート・ブライスと最悪な出会いをするのです。
五年が経ちアンをとても可愛がってくれたマシュウは死に、マリラは目の病気から失明の危機へと至ります。
そこで、アンは遠くの大学で勉強できる奨学金を辞退しグリン・ゲイブルスから近い学校で教師になる決心をするのです。
マリラはマシュウが死んでアンも遠くの大学に行くので、グリン・ゲイブルスを売ろうと考えていました。
それに気がついたアンはマリラのそばにいるために、家から通える学校で教師になることをマリラに打ち明けます。
私のために、あんたを犠牲にできないよ。
「そんなことはないのよ!」 「犠牲なんかじゃないわ」
(中略)
人生の節目節目となるようなたくさんの出来事も、一つ一つ、道に沿って一里塚のように見わたせたわ。
でも今、その道は、曲がり角に来たのよ。曲がったむこうに、なにがあるかわからないけど、きっ とすばらしい世界があるって信じていくわ。」
先の見えない曲り角に来たら、あなたはどうしますか?
どうせ後戻りのできない道ならば、進むしかないですよね。
そして進むのなら、明るい未来の方が良くないですか?
そんな先の見えない曲がり角を進むのに必要なのものはアンお得意の「想像力」です!
「想像力」とは、これから先のことを作り出すのと同時に、今あるものを見つめ直すことでもあります。
アンは、両親を失くしたり楽しみにしていたピクニックに行けなくなるような境遇に陥っても前向きな想像力を駆使して明るい未来を考えていました。
そして想像の世界を現実にしたときには、さらに美しくさせる想像力を働かせます。
曲り角の先を明るくするのも暗くするのもあなた次第です。
孤児院では、よくしてくれたのよ。でも、あそこには想像の余地が少しもないんですも の。 せっかく想像をするなら、想像する価値のあるものを思い浮かべるほうがいいものね。
孤児院ではアンの想像⼒を広げるものがなく、とてもつまらない⽇々を送っていました。
でも、島に来る途中の船で古い粗末な洋服を着ていても素敵な淡い空⾊の絹のドレスを着てい ると想像したら船旅が楽しくなった。
リンゴの⽊の並⽊道や輝く湖⽔、美しい農場や教会、⼩川を⾒てアンは次々に名前を付けます。
想像⼒は⾟い現実を乗り越えると同時に、⽣きる糧を与えてくれます。
これからわかっていくことが、たくさんあるなんて、すばらしいわ。世の中は、⾯⽩い ことに満ちているんですもの。何もかも知っていたら、半分もわくわくしないわ。だって、想像の余地がないでしょう︖
想像の余地にはまだ⾒ぬ世界が広がっている。
新しい感動や出会いが待っているのです。 これはアンにとっての⽣きがいです。
そして、現実を知ることだけが全てではありません。
想像してワクワクするのは、実際に⼿に⼊れるより⼤切だったりもします。
遠⾜の前の⽇は明⽇のことを想像して眠れなかったりしませんでしたか︖
遠⾜が楽しいのは、前⽇のワクワク感も含まれていたりもするのです。
「わしらがあの子の役に立つかもしれないよ」
アンのお喋りを聞いてアンの魅力にひかれたマシューは自分の役に立つのではなく、自分が誰かの 役に立てるかどうかに興味を持ちます。
今までマリラと二人暮らしだったマシューが誰かの役に立ちたいと生きがいを見つけた場面です
どうせ謝るなら徹底的にするほうがいいと思ったの
リンド夫人はアンの赤毛のことを悪くいったために、アンはリンド夫人を怒鳴ってしまいます。
謝りに行くようにマリラに言われて初は嫌がっていたアンでしたが、マシューの忠告もあって謝りに 行くことにしました。
相手も悪いけど自分も悪い。
どうせ謝るなら中途半端より徹底的に謝った方が心も通じるし相手印象も良くなります。
アンのお芝居のような言葉と身振りでリンド夫人は思わず許してしまい、リンド夫人と前より仲良くな ることができました。
何かがぱっとひらめいて、わくわくしたら、すぐ表に出さなくては。立ち止まって考え込んだり していたら、台なしよ。
アンはダイアナの家に泊まりに行き、はしゃぎすぎてダイアナと一緒にベッドにダイブしようと持ち掛けます。
しかし、そこにはダイアナのおば、ミス・バリーが寝ていてかんかんに怒らせてしまいます。
アンは「自分は怒られてもいいからダイアナだけは許してあげて」と必死のの謝罪をすることで、許して もらえ逆に気に入られてしまいます。
何かひらめいたらそれを口に出して行動しなければ何も始まらない
素早く行動することはとても大切です。
この場合はアクシデントがありましたが、行動しなかったらミス・バリーと仲良くなることもなかったのです。
⾏動を起こさないと幸運にも出会えないのです
私が幾何で失敗しようとしまいと、おてんとさまは、ちゃんと昇って、また沈むのね。
クイーン学校への入学試験が始まりました。
明日はアンの苦手な幾何のテストですが、失敗しても太陽はいつも通りに昇るのだと思って気を楽にし ます。
アンの楽天的な性格がギルバートと同点の島一番の成績で合格します。
失敗しても、太陽がまた昇る明日は必ずやってきます。
いつまでも落ち込んでなんかいられません
努力して勝つことが一番だけど、二番目にいいのは、努力した上で敗れることなんだわ
精一杯の努力をして、それでもだめだとしても「それでよし」と受け入れましょう。
努力した自分をほめてあげて、次の機会を待ちましょう。
「神は天に在り、この世はすべてよし」
天には神様がいて、あなたに起こることは全て良いこと。
悲観するより、全て良いこととと 楽天的になりましょう
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